Education pays(教育は報われる)

なぜ、海外一流MBA修士号取得にこだわっている自分がいるのか

仕事に役立つとか、人的ネットワークがとか、見識が広がるとか、箔がつくとか、色々それらしき理由はあるが、本音・根本は、一流といわれるトレーニングを受けて、どんな自分に変わるのか気づくのか想像がつかないことに挑戦する人生を歩みたい、可能性を試したい、現場の延長線では(最初は楽しく充実していたが)慣れてきてつまらない、変化が必要、ということだと思う

そういう栄養を求めていると気付いた

MBAである必要性はないが気になる

 

一時的な出費2000万円程度は高いが、駐在と株高とコスパ重視の出費コントロールで、既に充分な金融資産があり(かつ投資については今回取り崩す必要性もなく今後何もしなくても24年後に1億円には統計的にはなる見込みで将来も大丈夫)、健康で働き続けられる限り、その後3、4年で投資額は回収でき、また資産は増え続けるので、金銭的なダメージは致命的ではない

 

IMD Executive MBA卒業生の方のグログが参考になった

 

でもLife is all about learningとかEducation paysとかやっぱり気になる。だからそこに真理があると思う。多分こういうことだと理解している。

 

人生どこかで行き詰まる、あきる、なんというかあれこのままでいいんだっけと考えるときが来る。そんな時はきっと心が何か学びたい、チャレンジしたいというシグナルを送っている可能性が高い。このシグナルをきちんと捉えて反応することが大切だ。逆に言うと心がシグナルを送っていないときは目の前のことにフォーカスすべきだ

 

そしてIMDのExecutive MBAにいきついた。これにより心の奥の自分に栄養を与えられた気がする(まだ卒業できるかわからないけど)。自分がよりバランスが取れ、長期的、本質的に物事をとらえられるようになったような、なってないような(なったはず)。だからEducation paysだし、Life is all about learningも実感する。12月に卒業するときは、「あーもう勉強なんてやらない」って思うんだろうけど、暫くするとまた学びたいという声が心の奥から沸き起こってくるんだろうと今から期待している。何年後なんだろ。

 

出世に必要ではなくても、心の学びたいという声を聴きそれに対応すればよいと思う。そして前回書いたけど、MBAの知識や学位そのものの価値は下がっていくので、そのうえで何を学びたいかを自分と対話して決めていくのが大事。僕の場合は40歳も過ぎていたので自然にExecutive MBAになったんだけど、それでもMBAっぽくないのを選んだつもり。ちなみにIMDでリーダーシップを学ぶために、わざわざアメリカからスイスまで行ってるけどリーダーシップの学びは自分自身を理解することで得られるということだった。Self-Awarenessこそがリーダーシップの源泉。そのために「日記を書きなさい」といわれた。

 

 

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MBAって必要なの? その1

Shintaro
 

MBAって必要なのか?これってビジネスパーソンならみんな一度はちょっとは頭をよぎったことがあるのでは。もうそれこそ何人もの人が答えているんでしょうけど、私なりの回答を書いてみたい。まずは私の人生でMBAと交差したところを書いてみる。

私は新卒でコンサルに入社、欧州系のメーカーでは経営企画と新規事業ということで、MBAで教えるフレームワークとかは大体わかってた(わかったつもりだった)。20年くらい前、コンサルに入社したころにコンサルの先輩に「MBAって取ったほうがいいんですか?」ときいたら「MBAってコンサルに入るために必要なんでしょ。君の場合はもうコンサルに入っているんだからいらないんじゃない。それよりもプロジェクトを頑張る方がよっぽど勉強になると思うけど。あ、ちなみに僕はMBAもっているけどね。」といわれた。ということでコンサル時代はMBAに惹かれた瞬間はあったけど、目の前のプロジェクトに忙しく、また2年なんて休んでられないという思いもあって、MBAは見送ることに。

ちなみにプロジェクトの合間に魔がさしてUSCPAの勉強を始めたことがある。100万くらいの授業料を納付して、授業に出たのは1回だけ。100万払ったらそれがプレッシャーになってUSCPAの勉強するでしょ、と思ったら大間違い。たったの1回で終わったしまった。(さらにちなみに奥さんもコンサルだったですが、同じように100万払って「あたしはあなたみたいなことにはならない」といって始めましたが、授業に2回出て終ってました。夫婦で良いカモです。コンサルのプロジェクトの合間には魔物がいます。)

次に欧州系の会社では「MBAのやつなんてビジネス分かってない。ビジネスオーナー以外はできるやつって認めないぜ。」という生粋のEntrepreneurのもとで仕事をしていたため、あまりMBAに惹かれることもなかった。ちなみにこの上司にはビジネスのイロハを丁寧に教えてもらった。この上司を見ていると創業者イズムを持っている経営者はビジネスに対する姿勢もビジネスを管理する能力もあと1%の売上をつくる粘りもサラリーマン社長ではかなわないと感じた。なんというかもう違う種類の人間ですね。当時は海外で働きたいという気持ちはあったけどMBAを取る気にはならなかった。

さらにいえば、私の信頼するヘッドハンターの方にも10年くらい前にきいてみたけど「あなたに必要なのは海外で仕事をする経験であって、MBAではありません。学歴にコンプレックスがないならMBAは必要ないでしょう。」と言われ、もう忘れようと思った。

続いて今の会社の日本支社にマーケで入社。子育てに仕事に忙しく、MBAなんて思いもしなかった。ただ海外に行きたい気持ちは引き続きあり、運よくアメリカ本社に転籍になった。所属は同じくマーケだ。別途書くけど、アメリカに奥さんと5歳と2歳の男の子と一緒に移住するのは思ったより大変だった。半年くらいして生活も落ち着き、仕事にも慣れてくる。ふとオフィスを見渡すとまあ本当に多くの人がMBAを持っている。管理職ともなると8割方持っている。MBA取ったほうがいいのかしらと思い始め、色んなひとに意見を聞いてみることにした。

MBAが不要という人の意見は非常に理にかなっている。まず、大学の専攻をきかれる。大学の専攻が文学とか工学とかだとビジネスを勉強したことが無いように受け取られるからMBAを取るのもよいだろう。専攻が経済ならMBAはまあなくてもいいかも。次に経歴をきかれる。1社目がコンサルなら、まあいらないだろうね。そして今の仕事をきかれる。今マーケだったら本当にMBAなんていらないだろう。今の仕事で実践しているんだら。何にも新しいことなんて学べないよ。マネジメントになるのにMBAは必要ない。みんなMBAを取ったからマーケのマネジメントになったんじゃないよ。マーケのマネジメントは上昇志向が強い人たちでその人がたまたまMBAを持っているだけだ。気にしちゃいけない。Causalityを間違えちゃダメさ。

次にMBAを取るべきだという人の意見は非論理的に聞こえる。まず「アメリカで出世するにはMBAが必須」という意見。これはやっぱり違うと思う。こういう意見を言う人は多かったがけど、その人がMBAを取ってキャリアチェンジをしてきたからそう思うんだと思う。今まで経営企画やマーケやっていたんなら当てはまらないだろう。実際に今の環境では出世に必要なのは仕事の実績と周りからの後押しで、学歴ではない。ハーバードだろうとスタンフォードであろうと仕事ができない、周りから信頼されない人は出世はおろか、サバイブすらできない。

MBAの何がいいって人脈ができること。ビジネスは人脈が大事。だからMBAに行くのがいい。」という意見も響かなかった。ビジネスに人脈が大事だとしても、別に転職したいわけじゃないし、今の会社やビジネスに関係する人脈なら仕事上の人脈を増やした方がいいんだろう。また、色んな会合に出るとか、人脈を増やす方法は他にもたくさんある。人脈を増やすためにMBAに行くっていうのは腑に落ちなかった。

しかし、シンプルで響く意見もあった。「Education pays(教育は報われる)」。これは私が尊敬するマネジメントのコーチでVance Cesarという人にのアドバイス。会社のトレーニングで彼のリーダーシッププログラムに参加する機会に恵まれた。Dinnerの時に彼を捕まえて相談してみると、「うーん、難しいね。無くてもいいと思うんだけど。でも僕自身、自分のMBAをやってよかったとずっと思っている(彼はStanfordMBA)。人生長いからね、Education paysさ。(沈黙)」ということだった。Education paysか。。。。と心に響いた。

その2に続く。

note.com

 

MBAって必要なの? その2

 
Shintaro
 

Education paysはシンプルだけど私がExecutive MBAにチャレンジするのを後押しした言葉だ。これは単にMBAはリターンが良いですよということではない。まずEducationはMBAだけを指すのではない。学ぶこと、教育をうけること、という意味だ。次にpaysも単にお金ではなく、報われるという意味で、この報われるというのも色んな意味でとれるし、まあ勉強しておいて後悔することはないんでしょう。それはそうなんでしょう。

でも我々ビジネスパーソンには現実的な制約がある。まず、時間。子育て、仕事、家事。アメリカに来るまでは共働きだったから、子育てと仕事、家事で精いっぱいだった。よく子育ても家事もろくにやらない男性の上司が「俺もたまには料理をやるぜ。この間の土曜日も朝から海釣りにいって夕方にナメロウを作った。家内にもおいしいって褒められるんだ」とかいって女性社員が「XXさん、すごーい。料理するなんてえらーい。今度食べてみたーい。」とかいうシーンとかあるけど(最近は知らないけど、昔はこんなシーンばっかりさ)、私に言わせればそんなの料理じゃなくて、家事も子育てもやらない男の単なる趣味だ。さも料理していますみたいな言いっぷりは辞めてほしい。大体土曜日に一人で釣りなんていけない。・・・といじわるく思っちゃうくらい時間がない。だから、Education paysと言われても、困っちゃう。

次に仕事がある。やっぱり2年間、仕事から離れるのはリスクがある。そもそも今の仕事が面白く、自分が本気になれるのならもうそれが一番だと思う。そして出世に必要なのは実績と周りからの後押しだ。仕事の実績に勝るブランドはない。彼はMBAを持っているからあのポジションを任せようなんて、ならない。彼はあのプロジェクトをこんな風にこなしたから、あのポジションでもきっとこうできるだろうといって役職は決まっていく。

次にお金の問題だ。MBAの授業料は高い。フルタイムでやるとなると給料もなくなるので、本当にお金がかかるだろう。私のようにExecutive MBAは仕事をしながらできるけど授業料が日本人の感覚からするともうぼったくりですかというくらい高い。私の場合は転職も考えていないので、EMBAをとったところで短期的に給料が上がることはないだろう。ちなみにMBAの投資リターンを謳う学校や資料があるけど、MBAを受けるような上昇志向がある人と、全体の平均を比較していることが多い。これは間違っていると思う。我々が知りたいのはあくまで同じ上昇志向の程度の人がMBAを取った場合と取らない場合の給料の上昇率の差が知りたいのである(MBAによるキャリアチチェンジが必要ない場合で考える)。多分そんなに変わらないか、MBAに行かない方がいいのではと思う。

もっといえば、MBAの価値は今後全体的に下がっていくと思う。もう下がってきているんじゃないかな。分析のフレームワークなんて、ググればいくらでも出てくるし、現在価値だって丁寧な解説付きの記事が一杯でている。というわけで知識が手に入りやすくなったことが一因。次にオンラインMBAだ。おそらく大学は売上や利益を求めるとオンラインMBAを拡大する。生徒にとっても大学にとってもコストが圧倒的に安い。だからオンラインMBAが増えて、MBAが手軽にとれる時代が来ている。供給が増えるので一般的なMBAの価値は下がっていく。

じゃあ、今の仕事がんばるかって話ですね。その3に続く。

MBAって必要なの? その3

Shintaro
 

というわけで、MBAによるキャリアチェンジを必要としないのであれば、MBAは別にとってもとらなくてもいいと思う。よって必要ない。もし仕事の波がきていれば、仕事にフォーカスするのが一番だ。もし子供との時間を尊いと思う心の声が聞こえるのであれば、素直にそれに従うのが良いと思う。確かにEducation paysだが、今の仕事もpaysだし、子供との時間もpays、晩御飯の準備だってpaysだ。短絡的にMBAのためにこういうことをおざなりにしちゃだめだ。

もっといえば、コンサルで一通りのプロジェクトを経験しているとか、マーケで製品企画をやっているとか、経営企画の経験があるという人にとっては知識としてのMBAはあまりインパクトはないだろうし、なんといっても仕事の方が本当のCaseだからね。なんでCase Studyやるのって話。だからPayしない。

でもLife is all about learningとかEducation paysとかやっぱり気になる。だからそこに真理があると思う。多分こういうことだと理解している。

人生どこかで行き詰まる、あきる、なんというかあれこのままでいいんだっけと考えるときが来る。そんな時はきっと心が何か学びたい、チャレンジしたいというシグナルを送っている可能性が高い。このシグナルをきちんと捉えて反応することが大切だ。逆に言うと心がシグナルを送っていないときは目の前のことにフォーカスすべきだ(多分、色々と学べてるんじゃ)。僕の場合はアメリカにきて、生活が落ち着いたときに、1つ目はアメリカにいる間に学びたいという気持ちが沸き起こったこと、2つ目は40歳を過ぎて、人生にもう一つの変化をつけよう、もう少しチャレンジしたいという欲が出てきたんだと思う。いわゆるミドルクライシス(中年の危機)の一つでしょう。

そしてIMDのExecutive MBAにいきついた。これにより心の奥の自分に栄養を与えられた気がする(まだ卒業できるかわからないけど)。自分がよりバランスが取れ、長期的、本質的に物事をとらえられるようになったような、なってないような(なったはず)。だからEducation paysだし、Life is all about learningも実感する。12月に卒業するときは、「あーもう勉強なんてやらない」って思うんだろうけど、暫くするとまた学びたいという声が心の奥から沸き起こってくるんだろうと今から期待している。何年後なんだろ。

出世に必要ではなくても、心の学びたいという声を聴きそれに対応すればよいと思う。そして前回書いたけど、MBAの知識や学位そのものの価値は下がっていくので、そのうえで何を学びたいかを自分と対話して決めていくのが大事。僕の場合は40歳も過ぎていたので自然にExecutive MBAになったんだけど、それでもMBAっぽくないのを選んだつもり。ちなみにIMDでリーダーシップを学ぶために、わざわざアメリカからスイスまで行ってるけどリーダーシップの学びは自分自身を理解することで得られるということだった。Self-Awarenessこそがリーダーシップの源泉。そのために「日記を書きなさい」といわれた。

心が学びたいというシグナルを送ってきたらMBAに限らず料理でも、文学でもプラモデルでも学びとしてやっておけばいいのではないだろか。それこそNoteで日記を書くのも学びだ。ビジネスパーソンであっても別に経営学にこだわる必要は全くないと思う。ひょっとしたらマーケで心理カウンセリングを勉強するとかの方が学びも人間的な深みが増すのかもしれない。もしキャリアチェンジが必要、例えば30代前半まで営業畑を歩んできて、マーケにキャリアチェンジしたいのであれば、MBAがきっかけになるかもしれないので、MBAにチャレンジすればよい。

まとめるとMBAは必要ない。ただし人生のどこかのタイミングで学びたいという声が心の奥から上がってくるはず。この学びのタイミングをとらえて適切な題材を選択するのが大事。これを逃してはいけない。学びの題材は何でもよい。自分が学びたいと思ったことを学ぶことが大切。仕事も家庭も一段落する中年の学びはミドルクライシスを乗り越える意味でもとても理にかなっている。

あ、でも英語やっておきたいって人がいるよね。これは心の声を待っていると間に合わない可能性がある。この辺りは次回に。

 

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