ナチスドイツの発明 源泉徴収制度

税金をしっかり手間をかけずに徴収することが国家運営の要

 

ナチスドイツが広く大衆を相手にする源泉徴収制度を制度として世界ではじめて機能させたとされる

戦費を効率的に集める目的

当時の同盟国の日本はそれを導入し源泉徴収の仕組みは今に続く

 

引かれてから毎月給料をもらうので税金を納めている感覚がない

特に、天引き、と日本語では表記するので、自分のコントロールできる範囲を超えたどうしようもないものと言う感覚に漢字を見てとらわれやすい

天が引く、というのは興味深い表現

 

国家運営の立場で捉えれば、源泉徴収制度は国民の納税実感を薄れさせることが出来る

消費増税を政治家が言うと支持率は大きく下がることを踏まえると、源泉徴収制度は安定的にかつ容易に税金を徴収するに都合が良い制度

そのため増税しやすい制度とも言える

国家を運営する立場に立てば、引き続きこの表現で良い

一方、国民に納税意識を持ってもらう、高めさせると言う意味では、天引きと言う表現や制度そのものを変えた方が良いかもしれない

そうすると、税金に対する不満が爆発する可能性があるので、引き続きこのままの方が国家の安定と言う意味では良いのかもしれない

 

さて、税金を新たに課すのはハードルがとても高い

 

アメリカの独立戦争も、イギリスが植民地アメリカに対して、お茶に課税するなんてふざけるなと言ったアメリカの怒りを買ってはじまっている

当時のアメリカはタックスヘイブン

 

今も続くタックスヘイブンは、大英帝国が生み出した仕組み

 

一方、制度を作ってしまえばそれは長く続きやすい

 

協会税も、私が何人かと話をした限り、ドイツの若手社員は、キリスト教徒であれば、人によって金額は違うが毎月約100ユーロ天引きされている

結構これに対して不満を持つ人々の話をよく聞く

キリスト教徒をやめれば支払う必要はないが、いろいろ手続きがめんどくさいと言うことでそれをやらない人も多い

自分が毎月収めた金額が使われて、協会を通じて寄付を間接的にしているのだと自分に言い聞かせている人もいた

ミュンヘンの地元の方によると、昔は教会から年に2回イベントの案内の手紙が届いたが、今は教会から寄付のお願いの手紙しか来ない

毎月納めている金額に加えて、さらに寄付を求めると言うことに対し非常に不満を述べている人がいた

協会の懐事情もだんだんと厳しくなっているのかもしれない

一方、観光客の立場で見れば、協会は入場料無料で観光できるスポットが大方でどこから建物の維持運営費用等捻出しているのだろうと疑問に思っていたが、こういった教会税も使われているのだろう

 

国家運営や覇権争いを捉える一つの側面として、税の観点で世界を見るのは切り口が良いと思った