サルサの型を学ぶ際に、数学のトポロジーの知識を活用して型を解析すれば、手の位置関係等混乱せずにすぐに身に着けることが出来ると語るすごい人に出会った、とサルサ仲間から連絡を頂いた
19世紀末にトポロジーを創設したアンリ・ポアンカレは 「数学とは、異なるものを同じものと見なす技術である」と言った
トポロジーとは、同相な図形同士で不変に保たれる性質(位相不変量)を調べる学問で、一言で言えば、ものの形に関する学問
取っ手付きのコーヒーカップとドーナツが「穴が1つ」という点で同じ形だと、証明(主張)するのがトポロジー
私たちが中学生の時に学習した数学は、円や多角形を扱っていた(ユークリッド幾何学)
コーヒーカップとドーナツは扱っていないし、サルサの型も扱っていない(位相幾何学、トポロジー)
ユークリッド幾何学では、例えば位置がずれていても、一方の三角形を持ち上げて動かせばもう一方の三角形にピタッと重ねることができるのであれば、二つの三角形は「同じ」であると考える
この時、二つの三角形は「合同」であると中学生の時に学習した
ユークリッド幾何学とは、合同変換や相似変換によって不変に保たれる性質を調べる学問で、二通りの「図形を同じと見なす技術」、その技術とは「特定の操作で図形を動かして一方を他方にピタッと重ねること」を得た
一方、トポロジーでは、円や多角形などの「綺麗な図形」だけでなく、歪んだ紐や穴の空いた曲面などの「日常で目にする図形」も数学として扱う
本当に数学なのかという感覚も持つが、ユークリッド幾何学から、このようなやわらかい幾何学であるトポロジーの誕生まで 2,000 年以上ものときを要したことが、このような感覚を持つことの自然さを語る
身近に見られるトポロジー的な発想の一つに「端と端をつなげる」「端をなくせば終わりがなくなる」というものがある
マグロは常に泳ぎ続けていなければ死んでしまうので、水族館で飼うには永久に細長く伸びる水槽が必要
もちろんそんな水槽は作れないので、トポロジーの発想で端をなくすことを考え、ドーナツ形の水槽を導入しマグロがいつまでも泳ぎ続けることができるようにしている
のこぎりには端があるから、一旦引いたら戻さないといけない
端をなくして歯を円形にすれば、いつまでも引き続けることができ、これがチェーンソー
(流しそうめん機、回転寿司、空港の手荷物用ベルトコンベアなども同じ発想に基づく)
今のところ、私のサルサはすぐに型を忘れてワンパターン化しやすく、特に音楽がかかると型と型のつなぎが出来ず途切れてしまうこともある
トポロジーの発想を持つとは、「新しい型を学ぶ際に何が同じ点かを見つける」「型と型をつなげて音楽が続く限り踊れるようにする」ということだと解釈した