信越化の18年4~12月、純利益40%増 ウエハー、塩ビの採算改善

日経新聞の記事を引用するが、サプライズ決算で明日は絶対に上がる

明日しっかり利益を出して売り切りたい 。

同社に1000万円投じた私の見る目は正しかったと思いたい。

 

2019/1/29 20:30
 
 

信越化学工業が29日に発表した2018年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比40%増の2421億円と過去最高となった。半導体の基板素材であるシリコンウエハーの値上げが浸透したほか、塩化ビニール樹脂の採算が改善した。足元では半導体需要の伸びが鈍化している。それでも会社側は「長期契約を基に業績は伸びが続く」との見方を示した。

好調な半導体シリコンウエハーの先行きに注目が集まる

好調な半導体シリコンウエハーの先行きに注目が集まる

純利益の19年3月期見通し(2900億円)に対する4~12月の進捗率は83%と高水準だ。4~9月期決算発表時に200億円上方修正した通期の純利益を、今回は据え置いた。「まずは予想を達成することに集中したい」と説明した。

4~12月期の純利益は直前の市場予想平均(QUICKコンセンサス、2377億円)を上回った。売上高は14%増の1兆2068億円、営業利益は33%増の3246億円といずれも過去最高だった。

ウエハーは17年から需給が逼迫した状態が続く。18年は半導体市場が16%拡大。記憶媒体フラッシュメモリーなどに使う主力の直径300ミリメートル品を中心に需要が伸び、値上げも浸透した。住宅の配管やインフラなどに使う塩ビ樹脂は米子会社でフル生産が続いた。

米アップルのスマートフォンスマホ)販売が減速するなど、足元では米中貿易摩擦による中国景気の減速で半導体需要に一服感がでている。

モリー大手の韓国SKハイニックスの18年10~12月期の営業利益は前四半期比で3割減少。半導体の受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の19年1~3月期の営業利益は前年同期比で2割超減る見通しなど半導体関連企業の業績は悪化している。

信越化はリーマン・ショック時の値崩れの反省からウエハー契約について顧客との長期契約を進めた。主力の直径300ミリメートル品は数量、価格、期間が顧客との長期契約で固まっており、「契約上は価格が下がるリスクは限定的」(シティグループ証券の池田篤氏)。契約期間は公表していないが、少なくとも20年までの契約はほぼ埋まっているとみられる。

しかし、TSMCは17日の決算発表で、ウエハー調達について「価格を含めて長期契約を見直す」と発言。市場では影響についての懸念が広がっていた。信越化は29日、「契約見直しに応じるつもりはなく、契約に従って取引を続ける」と強気の姿勢を示した。

ウエハーと並ぶ二枚看板の塩ビも住宅着工数や中古販売件数など米国の住宅指数が軒並み鈍化している。ただ「世界的には需要が堅調で、値上げも浸透する」と伸びが続くとの見方を示した。

斉藤恭彦社長が18年10月に「自社株買いが株主還元の手段のひとつとしてあることは承知しており検討はしている」としたことで、市場で期待が高まっていた自社株買いを今回は見送った。29日の説明では「検討のための検討ではない」と引き続き実施に含みを持たせた。

スマホ市場の減速によって、半導体モリーがだぶつき始め、米IT(情報技術)大手がデータセンター向けの半導体調達を手控える動きもある。中国景気の減速を受けて投資に慎重な企業も増えている。信越化は長期契約をテコに今後も業績を伸ばせるとしているが、先行きへの懸念から、株価は直近高値から1割超安い水準にとどまる。(松本桃香