経済の身体測定

経済ほど身体チェックを色々な角度から高頻度で受けているものはないと思う

私は体重は年に一回の健康診断の時にしか測らないが、経済は色々な角度から頻度高く測定されている

金融市場は、経済環境や市場の特性、投資家の行動などが複雑に絡み合って形成されているが、各経済指標にはある程度の相関関係があるので、中間選挙が終わった今、先行きを見通すには役に立つと思う

私の注目するファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は以下の通り

【米国の経済成長率】↓
2018年の+2.9%から2020年には+1.8%まで減速するとIMF国際通貨基金)は予想
FRBの成長率見通しは20年は2.0%、21年は1.8%と徐々に減速

【米国ISM製造業景況指数】↓
主要経済指標の中で最も早く発表されることと、企業の景況感を反映し景気転換の先行指標とされることから、市場の注目度が高い経済指標
50を上回ると景況感の改善、50を割り込むと景況感の悪化を示唆していると考えられている
ISMのHPを確認したら、11月1日に発表された10月の指数は57.7
9月は59.8、8月は61.3、7月は58.1、6月は60.2

【予想PER(株価収益率)】
米国株式の割安・割高感を示す予想PERは、2018年10月29日時点で16.2倍
長期平均(2000年~)は16.7倍で、米国経済が想定以上に減速しない限り投資機会の可能性ともいえる
一方、11月7日の日経電子版で確認すると日経平均の予想PERは12.46倍(米国と日本は水準が違うので比較は適切ではないが参考)

【VIX指数(恐怖指数)】
上昇、高水準にあり不安定さは残る
今年2月の株価調整局面でつけた水準に逆戻りしつつある

金利
短期金利の指標であるFF金利の誘導目標を12月FOMC連邦公開市場委員会)が利上げ(2.25→2.5%)
FRBが描く先行きの利上げシナリオは、18年中に1回、19年は計3回、20年は1回のため、来年中には政策金利は3%を突破
一方、米10年債利回りは9月中旬以降3%台に乗せ、10月5日には3.2%台になった

実体経済
減税などで米国は将来の需要を先食い
米中貿易摩擦の影響拡大

株価に影響を与える市場参加者の動向は以下の通り
【金融市場】
外国人投資家:10月22日~26日の週に現物+先物合計で約1兆3,000億円の売り越し、直近3週間で約4兆2,000億円売り越し
日銀:10月にETFを合計8,676億円購入。2010年の買い入れ開始以来、月間ベースでは過去最高記録を更新。年間6兆円ペースは維持のまま、下落時の株価下支え
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人):2014年に日本株の組み入れ目標を12%から25%に引き上げ、株を購入(9月末で国内株を43兆5,646億円有する)


資産運用においてパフォーマンスを高めるには、世界の資産の成長を捉えながら、資産価格の大幅な下落をいかに防ぐかが要
相場の異変をこういった指標を参考しながら早期に察知して、リスク資産への投資配分を大幅に削減し、損失抑制を図る